老化細胞

老化細胞は、体内に比較的長く存在し続ける細胞。 加齢に伴い、生まれた時から存在する細胞が老化細胞に変化していくので、次第にその量は増えていく。加齢により蓄積される老化細胞が、臓器や組織の機能低下を引き起こし、さまざまな加齢性の疾患をもたらす誘因となっている。 細胞が老化することで、細胞が作り上げている臓器の老化も見られるようになる。臓器レベルでは、次の2つのパターンが考えられている。 脳および神経や心筋の細胞など:最初からほとんど分裂能をもたないため、細胞の破壊によって直接臓器の老化につながる。 これ以外のほとんどの臓器:臓器を構成するそれぞれの細胞が約50回の分裂を終え、「ヘイフリックの限界」を迎えることで、臓器全体が老化する。 実際には、臓器の老化は「臓器の機能低下」といった形で現れる。例えば胃が老化すると、胃壁細胞からの胃酸分泌量、主細胞からのペプシノーゲン分泌量が低下するだけでなく、消化管運動も低下する。